わきあがる気持ち置き場

雑多ブログ。日記や商品レビューなど。

2月20日 スープの話

読んだ本のご紹介
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」 著者:吉田篤弘
ずーっと読みたい本リストに入れっぱなしだった本です。ようやく読みました。
あったかくて、ゆるやかなお話です。一本の映画と名前のないスープをめぐる物語。
名前のないスープについて、食材や作り方など、詳細なレシピは書かれていないので想像するしかないのですが、とにかく美味しそうで!読み終えた日の夕飯にはにんじんのポタージュスープを作ったほどです。
いろんな食材が入ったスープとのことですが、私の頭に浮かんだのは2つのレシピでした。

1つは料理家の今井真実さんの「旨味たっぷり野菜のポタージュ」
たまねぎ、にんじん、しめじ、トマトが入ったスープです。
どれかひとつが主役ではなく、それぞれの食材がちょうどいいバランスで溶け合った、素晴らしいスープです。
エビやチキンなど入っていないのですが、そういった旨みの強い食材が入ってるかと思うほど濃厚な味。
小説の中でスープを食べた登場人物たちは、「思わず饒舌になってしまうほどの味だった」、とのことなので、そういった驚きがあるスープといえば、これかなぁと思いました。

もう1つは辰巳芳子さんの「ポタージュ・ボン・ファム」
こちらも複数の野菜を組み合わせたレシピ。蒸し炒めをして素材の旨みを引き出してつくる滋味深いスープです。
小説に出てくる「お母さんの味のような」という一文を読んで、このスープのことを思い出しました。
辰巳芳子さんといえば、「天のしずく 辰巳芳子 いのちのスープ」という映画があります。
私はこの映画を見て深く感動して、それこそ先程の小説タイトルではありませんが「それからはスープのことばかり考えて暮らした」状態で数日過ごしていたことがあります。
今では見られる場所があまりないかもしれませんが、もし機会があれば多くの方に見てほしい映画です。

スープって、いいですよね。
体調がいい時も悪い時も、どんなときに飲んでも美味しく無理なく体に入ってくる。
炒めたりブレンダーにかけたりしなくてもいい。出汁を取っただけだとしても、それも立派なスープです。
手間をかけてもかけなくても、食卓にスープがあればそれだけで満たされる感じ。
なにかひとつ料理を覚えるとしたら、それは簡単なスープがいいんじゃないかと思っています。
適当な具材を水から煮て、味付けをするだけの簡単なスープ。それだけ作れたらもうじゅうぶんじゃないでしょうか。

そんなことを考えてたら、今日もまたおいしいスープが飲みたくなりました。
何にしましょうかねぇ。ポトフは先日食べたし、ポタージュも作ったし。
私はお味噌汁のことも「スープ」と位置付けていますから、今日は大根のお味噌汁にしましょうか。おあげも入れましょう。
もう少ししたら夕飯の支度をする時間です。あっという間ですね。
早起きして眠い目を擦りながらも、あとちょっとがんばります。